子どもとの会話が、確認と注意ばかりになっていませんか

「宿題は終わった?」「明日の準備は?」「いつまでスマホを見ているの?」。毎日話しているつもりでも、振り返ると、確認と注意ばかりになっていることがあります。
必要なことを聞いているのだから、用件があるのは当然です。ただ、それ以外に何を話したかと考えると、あまり思い出せない。お子さんが今日何を面白いと思ったのか、何に腹を立てたのか。生活の予定は把握していても、そうした話は聞けていないということはないでしょうか。
子どもに話してほしいと思うなら、普段、どんな会話を重ねているかにも目を向ける必要があります。質問の仕方を工夫するだけでなく、親自身が何を話しているのかも考えてみてください。
「今日どうだった?」のあと、何を聞いていますか
例えば、「今日どうだった?」と聞いて、「普通」と返ってきた。そこで「授業は?」「友達とは?」「提出物は出した?」と質問が続いていく。
親としては知りたいから聞いているのでしょう。けれど、話題がいつも、ちゃんとできたかを確認する方向へ進んでいないでしょうか。子どもが別のことを話し始めても、最後は親が気になる課題の話に戻してしまうこともあります。
例えば、子どもが「今日、友達が面白いことを言っていてさ」と話したときに、「そうなんだ。それより宿題は?」と返す。宿題について聞く必要があっても、本人が今話していることを、どこまで聞いたかは振り返りたいところです。
「それ、どういうこと?」と続きを聞けば、本人が何を面白がっていたのかを知れます。そこで親まで同じように面白がらなければいけないわけではありません。まずは、相手が話したいことにも関心を向けてみてください。
親御さん自身の話をしていますか
子どもには「何でも話してね」と言いながら、親自身の話はほとんどしていない。そんなこともあると思います。
RAYでお伝えしている「分かち合い」は、自分が体験したことと、そのとき感じたことを伝える関わりです。立派な経験や、役に立つ話を用意する必要はありません。
例えば、「今日、仕事で分からないことを聞いたら、忙しいのに手を止めて教えてくれた人がいてね。あれは助かったなと思ったんだ」。あるいは、「買い物に行ったのに、いちばん買いたかったものを忘れちゃった。帰ってから気づいて、がっかりしたよ」。そんな日常の出来事です。
何があって、自分はどう感じたのか。親にも困ることがあり、うれしいことがあり、間違えることもある。その人自身の経験を、言葉にして伝えていきます。
話の最後に、教訓をつけなくてもよいのです
ここで、「だから、あなたも人には親切にしなさい」「ほら、確認しないと忘れるでしょう」と続ければ、子どもへの指導になります。
伝えたいことがあるときに、親の経験を話すことはあります。ただ、日常の話が毎回教訓に結びつくなら、確認や注意以外の話を増やしたことにはなりません。
何かを教えるために使わず、自分に起きたことと感じたことを、そのまま伝える会話があってよいのです。「そんなことがあったんだ」と聞いてもらって終わる日もあるでしょう。
子どもに話してもらうために、わざと失敗談を用意する必要もありません。自分が本当に話したいと思ったことを、相手の状況を見ながら短く話す。まずはそれで十分です。
話したからといって、同じだけ返してもらおうとしない
親が話したあと、「で、あなたは?」と子どもの報告を求めてしまうことがあります。自分が話したのだから、そちらも話してほしい。そう思うことはあっても、相手にも今話したいことがあるとは限りません。
「ふーん」で終わることもあります。その反応だけで、話しても意味がなかったと判断しなくてよいと思います。一回の会話で親子関係を変えようとすると、「話してくれたか」「反応がよかったか」ばかりが気になってしまいます。
反対に、子どもが何かを話してくれたときには、親が自分の話を重ねすぎていないかも確かめてください。「お母さんもそうだった」と言ったあと、いつの間にか親の経験談が長くなっていることもあるでしょう。
自分のことを話すことと、相手の話を聞くこと。そのどちらにも時間があるように、普段のやり取りを見直していきます。
親のつらさを、子どもに背負わせない
感じたことを伝えるといっても、夫婦の不満を聞かせ続けたり、「あなたのせいで毎日つらい」と慰めを求めたりすることとは区別してください。
親にも気持ちを支えてもらう相手は必要です。ただ、その役割を子どもだけに背負わせてしまうと、日常の経験を伝える話から離れてしまいます。話題や重さは、子どもの年齢や関係性にも合わせて選びます。
疲れているときや一人で過ごしたいときに、無理に聞いてもらう必要もありません。「少し話してもいい?」と確かめ、今は難しければ別の機会にする。親の話にも、相手が聞けるタイミングがあります。
今日の会話を、一つ思い出してみてください
確認も注意も、家庭には必要です。それをなくす話ではありません。ただ、用事があるときだけ声をかけ、話が済めば終わるという関わりになっていないかは、確かめたいと思います。
今日、確認や注意以外に、子どもと何を話したか。
自分に起きたことや、そのとき感じたことを話したか。
子どもが話し始めたとき、途中で別の用件へ戻していなかったか。
三つともできていなければ駄目、というものではありません。思い出してみて、次の会話で変えられそうなところを一つ選んでください。
子どもの生活を確認するだけでなく、家族として、お互いの経験を知る時間も持ってほしいと思います。特別な話題を探さなくても、日々の生活には話せることがあります。親御さん自身が何を見て、どう感じたのか。そこから話してみてはいかがでしょうか。
助言を重ねすぎる関わりを見直す視点は、「良かれと思って」が逆効果になる子育てでも紹介しています。





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