「分かった」と言ったのに、なぜやらない? 親子の約束を見直す

「分かった」と返事をしたのに、約束したことをやらない。何度も同じやり取りをしている親御さんはたくさんいらっしゃいます。
例えば、「夕飯になったらゲームを終わりにしてね」と伝えたときは「分かった」。ところが、食事ができても終わらず、呼びに行くと「今すぐは無理」と返ってくる。「さっき約束したでしょう」と、また言い合いになる。
ここで確かめたいのは、なぜ守らないのかだけではありません。親が約束できたと思っている内容を、本人も同じように受け止めていたのか。約束をした時点まで戻って考える必要があります。
返事をもらって、話を終えていませんか
親が伝え、子どもが「分かった」と答えれば、話がまとまったと思うでしょう。ただ、その返事だけでは、本人が何を了解したのかまでは分かりません。
今の話を聞いたという返事だったのか、実際にその時間で終われると考えていたのか。早く会話を終えたくて答えた可能性もありますが、そうだと決めつけることもできません。
例えば、親は「呼ばれたらすぐに終わる」と考え、本人は「呼ばれたら、今やっているところを終わらせる」と考えていた。この場合、同じ言葉で話していても、行動するタイミングは違います。
何度もずれるなら、「夕飯のときに終わるって、どうするつもりだった?」と聞いてみてください。本人の考えを聞いたうえで、親が何をお願いしたかったのかも具体的に伝えます。
「ちゃんとする」を、実際の行動まで考える
「ちゃんと片づける」「早めに準備する」「使いすぎない」。普段よく使う言葉ですが、どこまでやれば済んだことになるのかは曖昧です。
例えば、共有の机を片づけるなら、親は「家族が夕飯を並べられるように空けてほしい」と思っている。一方、本人は端に寄せればよいと考えているかもしれません。
「きれいにして」だけでなく、なぜ必要なのか、いつまでにどんな状態にしてほしいのかを伝える。そのうえで、本人はいつ、どう片づけようと考えているのかを聞きます。細かい手順まで親が決める必要はありません。
本人に任せるなら、何を任せたのかが親子で分かる話にしておくことです。返事を何度も取るより、考えている行動を一度確かめる方が、食い違いを見つけられます。
できなかった理由は、約束への理解だけではありません
内容を共有できていても、実行できないことはあります。「終わるつもりだったけれど、時間を見ていなかった」「途中で切れない予定を入れていた」。本人の説明を聞くと、計画と実際の行動がつながっていない部分が分かることもあります。
そこで「じゃあ、次は絶対にね」と約束を取り直すだけでは、同じところで止まるかもしれません。始める前に終了時刻を確かめるのか、区切りがつくまでの時間を見積もるのか。本人が次に変えられることを一緒に考えます。
時計を確認する方法や手順そのものが分からないなら、そこは支える必要があります。年齢や本人の力に合わせて、最初は一緒に確認してもよいでしょう。ただし、毎回親が時間を管理して終わらせるところまで引き受けているなら、本人が担う部分も見直したいと思います。
その約束で、何を実現したかったのでしょうか
約束の話がこじれると、「守ったか、破ったか」ばかりが気になることがあります。けれど、最初に困っていたことは何だったのでしょうか。
例えば、夕飯の時間にゲームを終えてほしい理由が、家族で一緒に食べたいからなのか、食後の片づけを遅らせたくないからなのか。理由がはっきりすると、何を話し合う必要があるのかも具体的になります。
親が困っていることは伝えて構いません。子どもの希望を聞くことは、親が全部合わせることではありません。家庭として支えられる範囲や、共有の場所を使う条件もあります。
一方で、本人から別の方法が出たときに、最初に親が決めた方法でなければ駄目だとする必要があるかは、考えたいところです。目的に合い、家族の負担も無理のない方法なら、変更する余地はあります。
毎回押し切られるなら、親の対応も振り返る
「今日は駄目」と伝えても、何度も頼まれると許してしまう。別の日には同じことを強く叱る。そうした対応が続くと、家庭のルールが実際にはどう運用されているのか分かりにくくなります。
例外が必要な日もあります。ただ、理由を話して変更することと、その場の押し問答で毎回変わることは分けて考えてください。守れない約束を何度も取り直す前に、決めた内容を親自身が続けられるのかも確認が必要です。
後から罰を足して従わせようとするより、何に困っていて、どんな条件なら生活が回るのかを話しておく。そのうえで、決めたことが実行できたかを振り返っていきます。
次の約束をする前に、三つ確認する
「ちゃんと」「あとで」など、親子で意味がずれそうな言葉を使っていないか。
本人は、いつ、どう実行するつもりなのか。
前回できなかったところに対して、今回は何を変えるのか。
一度話しただけで、すべてできるようになるわけではありません。実行してみて初めて、無理があったと分かることもあります。そのときに、本人の言い分を全部言い訳として片づけず、何が起きたのかを確かめます。
「分かった」と言わせるところで終わらず、実際に行動できる約束になっているかを見直してください。本人が考え、実行し、うまくいかなければ修正する。その経験を家庭でも重ねていきたいと思います。
本人に任せる範囲と親が支える範囲については、過干渉・過保護が不登校を長引かせる?「必要な干渉」と「やりすぎ」の線引きもご覧ください。
不登校に伴う家庭のルールや話し合いに迷っている方は、何を決め、どんな場面で続かなくなるのかも含めて、RAYの相談・お問い合わせからお聞かせください。





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