top of page

不登校の親の対応、親だけが変わっても子どもは変わる?

11 分前
読了時間: 4分

「本人が相談を嫌がるんです」

「親だけが相談しても、意味はあるんでしょうか」

初回のご相談で、非常に多くいただく質問です。

お子さん本人が支援を拒んでいると、親御さんは手詰まりを感じます。

ですが、親だけが動くことには、はっきりとした意味があります。

今日は、それを裏付ける海外の研究を紹介します。

親だけが相談して意味はあるのか

結論から言うと、意味はあります。

子どもは、家庭という環境の中で毎日を過ごしています。

その環境の中で、一番影響が大きいのは、毎日顔を合わせる親御さんの関わり方です。

本人が変わるのを待つより、親御さんの関わり方が先に変わる方が、家庭全体は動きやすい。

これは、私が現場で長く感じてきたことでもあります。

RAYの支援も、中心は親御さんへのアドバイスです。

お子さんが相談の場に来ないことは、珍しいことではありません。

むしろ、本人が「相談なんて行かない」と言っている段階から、親御さんが先に動き始めるご家庭の方が多いくらいです。

親だけが学んで、子どもの不安が減った研究

アメリカのイェール大学のチームが、不安障害と診断された7〜14歳の子ども124人を対象に行った研究があります。

子どもたちは、2つのグループに分けられました。

1つは、子ども本人が認知行動療法を受けるグループ。

もう1つは、親だけがプログラムを受け、子どもは参加しないグループです。

どちらも、週1回60分を12回行いました。

結果は、親だけが学んだグループでも、子どもの不安は、本人が治療を受けたグループと同じくらい減りました。

親御さん自身のストレスも、両方のグループで下がっています。

この研究は2019年に、アメリカの児童青年精神医学会の学術誌に掲載されました。(米国立衛生研究所(NIH)による紹介記事)

親の『先回り』が不安を長引かせる

この親向けのプログラムで、親御さんが見直したのは『先回り』です。

子どもの不安を和らげようとして、親が子どもの代わりに動いたり、不安の元を遠ざけたりする行動のことです。

研究の紹介では、分離不安の子どもと毎晩一緒に寝る、人が苦手な子どものために来客を断る、といった例が挙げられています。

どれも、子どもを思っての行動です。

その場の不安は、確かに軽くなります。

ですが、子どもが自分で不安を乗り越える機会は、そのぶん減っていきます。

不登校の家庭で起きやすい先回り

不登校のご家庭でも、同じような『先回り』は起きやすいものです。

学校の話題を出すと不機嫌になるので、家では一切触れない。

朝の欠席連絡を、毎日親が先に入れておく。

本人が嫌がるので、先生からの電話や家庭訪問を断る。

どれも、お子さんがその場で困らないための対応です。

ただ、続けるほど「学校のことは考えなくていい」状態が、家の中にできあがっていきます。

必要な関わりと、やりすぎの線引きは、こちらの記事でも書いています。

【ご相談】お子さんの状況は、ご家庭ごとに違います。 どこから手をつければいいか分からないときは、まず今の様子をお聞かせください。 LINEで無料相談 / お問い合わせフォーム

先回りを減らすときに気をつけること

注意したいのは、先回りを一度に全部やめることではない、という点です。

研究のプログラムでも、親御さんは、どの対応を減らすかを一つずつ決めていきます。

減らすときに大切なのは、お子さんの気持ちを受け止める言葉を、一緒に伝えることです。

「不安なのはわかるよ」と受け止めたうえで、本人がやることは本人に任せる。

たとえば、朝の欠席連絡を、毎日親御さんが先に入れていたとします。

これを、本人がその日どうするかを自分で決め、自分の口で伝える形に変えていく。

最初は嫌がるかもしれません。

それでも、自分のことを自分で決める経験は、学校に戻るときの土台になります。

減らす順番は、お子さんの状態によって変わります。

いきなり一番大きな先回りから手をつけると、親子の関係がこじれることもあります。

小さなものから一つずつ、が基本です。

突き放すことと、先回りをやめることは違います。

気持ちには寄り添い、行動は肩代わりしない。

この2つをセットにすることが大切です。

研究から言えること、言えないこと

最後に、誤解のないように書いておきます。

この研究の対象は、不安障害と診断された子どもです。

不登校そのものを調べた研究ではありません。

「親が変われば、不登校が必ず解決する」と言える研究でもありません。

それでも、本人が相談に来なくても、親御さんの関わり方が変わることで、子どもの状態が動くことを示した意味は大きいと考えています。

【まとめ】 ・本人が相談を拒んでいても、親だけが動く意味はある ・見直すのは、不安の元を遠ざける『先回り』 ・気持ちには寄り添い、行動は肩代わりしない

親御さんが先に変わることは、遠回りではありません。

一人で抱えずに、お子さんの今の様子を、お気軽にお聞かせください。

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
パソコンとスマホを操作する女性、コーヒーカップが近くに置かれています。

ご相談・お問い合わせはこちら

ご相談やご質問は、下記よりお気軽にご連絡ください。

bottom of page