過干渉・過保護が不登校を長引かせる?「必要な干渉」と「やりすぎ」の線引き
- こまち先生

- 2025年12月24日
- 読了時間: 7分
本記事を書いているのは『こまち先生』こと不登校解決支援センターRAY代表理事の辻です。

・復学支援カウンセラーとして親子関係の改善や復学支援に従事。
・SNSでは『こまち先生』として活動し、総view数は100万を突破!
不登校の原因として「家庭内の過保護・過干渉」を指摘されることがあります。
ただ、ここで陥りがちな間違いは親御さんが「じゃあ私は全部まちがっていたのか」と責めてしまうことです。
本記事でお伝えしたいのは、過干渉・過保護そのものが“悪”なのではなく、線引きがズレたときに不登校に陥りやすかったり、長引きやすくなるという点です。
では、具体的に「必要な干渉」と「過干渉」の違いはどこにあるのか。家庭でよく起きる代表例と、今日からできる線引きのやり方をまとめます。
この記事の要約
過干渉・過保護が問題になるのは、子どもが自分で考えて選ぶ経験が減り、学校での負担感が増えやすいためです。
線引きのコツは「助ける/先回りする」ではなく、“考える余地”を残す関わりにすることです。
親の不安・罪悪感・焦りが強いほど先回りが増えます。親の心の整え方もセットで考えると、改善が続きやすくなります。
なぜ「過干渉・過保護」が不登校と結びつくと言われるのか
過干渉・過保護によってお子さんが「自分で考える力を奪われる」という説明を耳にしたことがある方も多いと思います。
学校や社会では、年齢が上がるにつれて求められる力が増えていきます。家では「困りそう」な時点で親御さんが助けてくれることが多い一方、学校にはその親御さんがいません。子どもは、自分で考え、行動し、その結果を引き受ける必要があります。
この経験が少ないほど、「選んで動く」という行為そのものに負担感が出やすくなります。負担感は目に見えにくい疲労になり、結果として
欠席が増える
登校はしていても新しいことに挑戦しにくい
家で寝て過ごす時間が増える
YouTubeやゲームなどに没頭しやすいといった形で出てくることがあります。
「過干渉・過保護が原因」と言われる背景には、こうした**“自立に必要な経験が積みにくい状態”**があることが多いです。
※過保護・過干渉は「愛情があるからこそ起きる」ケースも多く、RAYではこれを「愛情過多型」と表現しています(参考:タイプ別不登校)。
線引きの基本は「答えを渡す」より「考える余地を残す」ことです。
家庭でよくあるパターンとして多いのが、求められていないのにアドバイスや指導が出てしまうことです。
たとえば、お子さんから「コンタクトにしたい」と話があったときに、
「まず眼科で検診しないとね。眼球のカーブも確認しないと角膜が傷つくし、視力に悪影響のこともあるからさ。あとゲームとYouTubeの時間は減らさないとね」
…というように、悪気なく「正しい話」をたくさん並べてしまうことがよくあります。
ここまで極端でなくても、
「お腹すいた」→「今日はチャーハンだよ。バナナは1本まで。お菓子はだめね。ご飯は全部食べるんだよ」
という会話になっているご家庭もよく見られます。
どちらも共通しているのは、問題を先読みして、答えを全部先に渡している点です。
これが続くと「答えは親が出してくれる」が当たり前になり、子どもが自分で考える余地が減っていきます。
その結果として、
自分で答えを出すのが苦手になる
自分から助けを求めるのが下手になる
親のように察してくれない周りが「優しくない」と感じやすくなる
うまくいかなかった時に「親のせいだ」と怒りで発散しやすくなるといった形に繋がることがあります。
代表的な「過干渉」パターン:アドバイスの出しすぎ
線引きとしておすすめしたいのは、次の3点です。
アドバイスは、求められない限り避けてみましょう
求められても、いきなり答えを渡さずに 「あなたはどうしたほうがいいと思う?」 と、考える余地を作ってみましょう
どうしても答えが必要な時は 「お母さんだったら、こうするな」 の形で、**“選ぶのはあなた”**を残してみましょう
この3点だけでも、家庭の空気はかなり変わります。
関連:過干渉・過保護が絡む不登校は、家庭内での“自立の育て直し”がポイントになることが多いです(参考:GW明けに不登校が増える理由と対応方法)。
過干渉が強まる「親側の心理」も、必ずセットで起きます
過干渉は、親御さんが意地悪でやっているのではありません。むしろ多くの場合、背景にあるのは
不安(このままで大丈夫だろうか)
罪悪感(自分の関わり方が悪かったのかもしれない)
焦り(早く立て直さないと取り返しがつかない)
こういった気持ちです。
この気持ちが強いほど、親は「失敗させないために先回りする」「最短で正解を渡す」関わりになりやすくなって当然です。
だからこそ、線引きを変えるときは、上記を参考に行動だけ変えるのではなく、「今目の前で起こっている可哀そうに対応してあげることが本当にこの子のためなのか」という “親の心の置き場所” も一緒に整えておくと線引きをしやすくなります。
参考:愛情が強いほど、方向を誤ると逆効果になることがあります(「ほめる子育て」のリスク)。
年齢別:線引きは「任せ方」を変えるだけでOKです
線引きは、年齢によって現実的な「任せ方」が変わります。目安としては次のイメージです。
小学生:手順は一緒に、決定は子どもに任せてみる
例)忘れ物が多い
親:チェック表は作る
子:チェックするのは本人「確認の仕組み」は親が用意してOKです。ただし、やるのは本人に任せます。
中学生:助言は最小限、失敗の回収も本人に任せる。
例)提出物が不安
親:「いつが締切?」と聞く
子:スケジュールを決める
親:必要なら「困ったら相談してね」で止め本当にやったかどうかの“管理”まで親が代行すると、一見課題はこなせますが、本人の力が育たず後で親が苦しくなりやすいです。
高校生:親は「相談相手」に徹し、決定は本人へ
例)進路が不安
親:情報の入口(学校要項、説明会日程)は伝えてあげる
子:選ぶ/比較する/決めるという行為ときちんと向き合わせる。親は“結論を作る人”ではなく、考える場を支える人になってあげましょう。
家庭と学校の役割分担も、線引きの一部です
過干渉・過保護の線引きは、家庭内だけで完結しません。
家庭が全部抱えると、親が先回りし続ける形になりやすいからです。
目安としては、
家庭がやること:生活・対話・本人の自己決定を支える
学校に頼ること:学習や評価の扱い、段階的な復帰の現実的調整
「家庭で背負いすぎない」ことも、結果的に過干渉を減らす助けになります。
参考:線引きに悩んだ親御さんが、家庭用に対応をカスタマイズしていった事例(相談の経緯から復学まで)。
よくある質問
Q1. アドバイスを減らしたら、子どもがダメな方向に行きませんか?
不安になりますよね。ポイントは「放任にする」ではなく、考える場を作ることです。「どうしたほうがいいと思う?」と聞き、必要なら選択肢を出して、最後は本人が決める。ここまでやれば、見捨てるのとはまったく違います。
Q2. もう親子関係が荒れていて、線引きどころじゃありません
その状態だと、線引きを変えようとしても会話が噛み合わず、親御さんだけが消耗しやすいです。まずは「家庭内で起きている問題」を整えるところから始めるほうが早いケースもあります(参考:「うちの子すごくわがままなんです」)。
Q3. 学校に相談しても動いてくれない場合はどうしたらいいですか?
学校側も、情報が少ないと動きづらいことがあります。「家庭の目標」「困りごと」「当面お願いしたい配慮」を短くまとめて伝えるだけでも、話は進みやすくなります。家庭と学校の役割分担を整理しておくと、親御さんの“抱え込み”も減り、線引きが安定していきます。
まとめ
過干渉・過保護が問題になるのは、親御さんの愛情が足りないからではありません。
多くの場合、愛情があるからこそ先回りが増え、子どもが「自分で考えて選ぶ経験」を積みにくくなってしまうのです。
線引きを変えるときは、
アドバイスを減らして、考える余地を残す
親側の不安・罪悪感・焦りもセットで整える
年齢に合わせて“任せ方”を変える
家庭と学校の役割分担で抱え込みを減らすこの4点が柱になります。
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