スマホ利用が脳に及ぼす影響「3時間以上使用しているとどれだけ勉強しても成績が伸びない?」
- 3月22日
- 読了時間: 7分
更新日:2 日前
代表理事略歴
・(一社)家庭教育支援センターペアレンツキャンプにて東京支部室長を10年歴任
・(一社)不登校解決支援センターRAY代表理事
・文部科学省家庭教育支援研究会委員
所持資格
・公認心理師/教育カウンセラー/家庭教育アドバイザー/復学支援カウンセラー
SNSでは『こまち先生』として活動し、総view数は100万を突破!
不登校や行き渋りのご相談を受けていると、スマホやゲームについて親御さんが悩まれているケースは非常に多いです。「取り上げたいわけではない」「でもこのままで大丈夫なのか不安」という感覚は、今の時代とても自然なものだと思います。
今回は、文部科学省第七回家庭教育支援フォーラムで東北大学の榊先生が発表された内容をもとに、スマホやインターネットが子どもの学習や発達にどのような影響を与え得るのか、そして家庭では何を意識していくべきかを整理していきます。
この記事でお伝えしたいこと
スマホやインターネットの長時間利用が、学力や発達とどう関わるのか
「スマホが悪い」で終わらせると見誤りやすい理由
不登校支援の視点から見た、家庭で意識したい関わり方の方向性
スマホ使用時間が長いほど、学力が下がる傾向が見られる
榊先生のご発表では、仙台市の大規模データをもとに、スマホ使用時間と学力の関係が示されていました。
その中で見えてきたのは、スマホ使用時間が長いほど学力が低い傾向が見られるという点です。これは保護者の方にとって、ある意味では想像通りかもしれません。
ただ、ここで大切なのは「だからスマホが全部悪い」と短絡的に考えないことです。問題は、スマホという機器そのものよりも、長時間使うことで何が削られているのかという点にあります。
勉強時間や睡眠時間だけでは説明しきれない部分がある
今回のご発表で印象的だったのは、単純に「勉強時間が少ないから学力が下がる」「睡眠時間が短いから学力が下がる」という話ではない、という点です。
勉強時間や睡眠時間が同程度であっても、スマホ使用時間が長い群と短い群では差が出ると示唆されていました。
つまり、スマホ使用時間が長くても
同じくらい勉強していれば大丈夫
睡眠時間が平均位とれていれば大丈夫
という単純な話ではないということです。
脳の発達にも無視しにくい影響が示されている
榊先生は、インターネット接続機器の使用頻度が高い子どもほど、発達に悪影響が見られた脳領域があったという追跡研究についても紹介されていました。
ここでも大事なのは、必要以上に脅かすことではありません。「スマホを触ったら脳が壊れる」といった乱暴な受け止め方をするべきではないでしょう。
ただし、少なくとも
長時間・高頻度の使用
それが日常化している状態
家族や学校が困り感を持っている状態
については、「よくあることだから」と軽く流さず、見直しの対象にする必要があると考えています。
スマホが悪いのではなく、自己管理能力の問題として考える
不登校や行き渋りのケースで、スマホやゲームが悪者にされやすいのは事実です。
ですが、支援現場で見ていると、問題の本質はそこだけではありません。
多くの場合、本当に見ていくべきなのは
自分で時間を区切る力
やめたい時にやめる力
気分に流されすぎず行動を選ぶ力
不快なことがあっても、それを別の方法で処理する力
といった自己管理能力や自立の課題です。
スマホやゲームは、そこに課題がある時に“表面化しやすい場”になっていることが多いのです。
つまり、スマホだけを制限しても、【自立心が育っているか】という根本が変わらなければ別の形で問題が出てくることがあります。
不登校支援の視点から見ると、問題は「スマホ時間」だけではない
不登校のご家庭でスマホやゲームの問題が深刻化している時、よく見られるのは次のような状態です。
昼夜逆転が進んでいる
家族との会話が減っている
何もしていない時間に不安が強くなる
学校や将来の話題から逃げるために、娯楽に没頭している
注意されると強く反発する
この状態で、表面上のスマホ時間だけを減らそうとすると、親子関係がさらに悪化することがあります。
だからこそ必要なのは、「何時間使ったか」だけではなく、その使い方が本人の生活や心にどう影響しているかを見ることです。
家庭でまず意識したい3つの視点
1. スマホそのものを悪者にしすぎない
最初から「スマホが全部悪い」と決めると、子どもは防御的になります。奪われまいと必死になり、ルールを決めることすらできなくなります。そうすると、問題の本質にすら触れられません。
大切なのは、「スマホをやめさせること」ではなく、“今の使い方で何が崩れているか”を一緒に見ていくことです。
2. 困りごとを、親子で共有できる形にする
「勉強しなさい」「触りすぎ」「いい加減にしなさい」
では、子どもは自分事として受け取りません。
それよりも、
朝起きづらくなっている
夕食中の会話がほとんどない
イライラしやすくなっている
何もない時間に不安が強い
といった具体的な困りごととして共有する方が、話は進みやすくなります。
3. 家族の時間・体験・感情共有を減らさない
榊先生のご発表の中で、最後に示されていた「時間・体験・感情を共有し、子育てを楽しみましょう」というメッセージは、とても本質的です。
不登校支援でも同じです。スマホの時間を減らすことそれ自体が目的ではありません。
一緒にご飯を食べる
一緒に何かを見る
感情を共有する
子どもの話を途中で切らずに聞く
こうした土台があるからこそ、スマホやゲームとの付き合い方も整いやすくなります。
RAYではどう考えるか
RAYでは、不登校や行き渋りのケースにおいて、スマホやゲームを単体で問題視することはほとんどありません。
それが
不安の逃避先になっているのか
自立課題の表れなのか
親子関係の悪化を映しているのか
学校に行けない罪悪感を埋めるためのものなのか
を見極めながら、家庭・学校・本人のどこに課題があるのかを整理していきます。
そのうえで、スマホやゲームの問題も、親子関係や生活の立て直しの一部として考えることが大切だと考えています。
よくあるご質問
Q. スマホ時間を減らせば、学力や不登校は改善しますか?
スマホ時間を減らすことがプラスに働くケースはあります。ただし、それだけで解決することは多くありません。
本人の不安、自立課題、生活リズム、親子関係などが絡んでいる場合は、そこを一緒に整える必要があります。
Q. 親がスマホを見ていると、子どもに言えません
その通りです。親が100点である必要はありませんが、少なくとも「自分も見直す姿勢」は必要です。
食事中や会話中は親も触らない、など小さなところから揃えていく方が現実的です。
Q. どこまで家庭でやって、どこから相談した方がいいですか?
親子で話そうとするとすぐに揉める、生活全体が崩れている、スマホの話題が強い対立の火種になっている場合は、家庭だけで抱え込まない方が無難です。第三者が入ることで、問題を整理しやすくなることが多いです。
まとめ
スマホやインターネットは、令和の子ども達にとって当たり前の存在です。だからこそ、ただ否定したり取り上げたりするのは問題の根本的な解決にはなりません。
今回の榊先生のご発表から見えてくるのは、
長時間の使用は、脳の発達に無視できない影響を持ちうる
勉強や睡眠だけでは説明しきれない差が残る
本質はスマホそのものより、自己管理能力や家庭での関わり方にある
ということです。
家庭で本当に見ていくべきなのは、スマホを悪者にすることではなく、子どもが自分の生活をどう整えられるか、そのために家庭がどんな土台を作れるかです。
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