復学支援機関を選ぶ時の基準
- こまち先生
- 4月10日
- 読了時間: 7分
更新日:4月12日
本記事を書いているのは『こまち先生』こと不登校解決支援センターRAY代表理事の辻です。

・家庭教育アドバイザー、復学支援カウンセラーとして親子関係の改善や復学支援に従事。
・SNSでは『こまち先生』として活動し、総view数は100万を突破!
復学を考え始めたときに知っておきたいこと ~支援機関を選ぶ前に~
今回は、不登校支援の中でも「復学支援」を提供している機関について、選ぶ際の注意点をお伝えしていきたいと思います。
◆ 「学校に行かせない」ことだけが正解ではありません
最近では「学校には無理して行かせなくていい」「子どもが行きたくなるまで待とう」という風潮が広がってきています。
この考え方が広まったことで救われたご家庭もたくさんありますし、必要な視点だと私も思っています。
ただ、その考え方がすべてのケースに当てはまるとは限りません。
むしろ、それだけに偏ってしまうことでかえってお子さんやご家庭にとってのリスクが大きくなる場合もあるのです。
今回の記事ではその理由について詳しくは触れませんが、私は「学校を休ませること」と同じくらい「もう一度、学校に戻すという選択肢」も大切だと考えています。
つまり、どちらが“正しい”ということではなくお子さんの状態や環境に合わせて複数の選択肢を持っておくことが大事だと思うのです。
◆ 復学支援を考える保護者の方へ
もし今、復学という選択肢を視野に入れ始めたところであればぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それが、復学支援を行う機関の特徴と、選ぶ際に注意してほしいポイントです。
復学支援ってどんな種類があるの? それぞれの特徴と選び方
お子さんの不登校に向き合う中で、「どんな支援があるのか」「どこに頼ればいいのか」と迷う保護者の方も多いのではないでしょうか。今回は、不登校からの復学に向けた支援機関の種類や、それぞれの特徴についてお伝えします。
◆ 支援には大きく2つのスタイルがあります
まず、復学支援機関には大きく分けて次の2種類があります。
アウトリーチ(訪問)支援
オンライン支援
最近よく見かけるのはオンライン支援です。
少し調べるだけでも、たくさんの支援機関の情報が出てきますよね。
このスタイルでは、カウンセリングやアドバイスを電話やメールなどを通じて受けることができ、支援者と直接会うことはありません。
親御さんを通してお子さんに間接的に働きかけていくスタイルで、「手軽に始められる」「全国どこからでも利用できる」といった点が大きなメリットです。
一方、アウトリーチ型支援は、支援者が実際にご家庭を訪問し、親御さんやお子さんと直接関わるスタイルです。コロナ禍以前はこちらが主流でした。
手軽さではオンライン支援に及ばないかもしれませんが、実際に会って話すことで、より深いアセスメント(状態の把握や分析)ができるほか、支援者自身が直接お子さんに関わることができるという点が大きな特徴です。
◆ どちらが「正解」?それはご家庭によって異なります
「結局、どちらがいいの?」というご質問をよくいただきます。正直なところ、それはお子さんの状態やご家庭の状況によって変わります。
ただ、復学率やスピード、復学後のサポートの質という面では、アウトリーチ型支援の方が結果が出やすい傾向にあります。
その一方で、アウトリーチ支援は対応地域が限られていたり、費用がオンラインより高くなりがちな点には注意が必要です。
オンライン支援は、支援者が直接お子さんに関われない分、効果が出るまで時間がかかることもありますが、親御さん自身が主体となってお子さんと向き合うことが多くなるため、結果として「家庭の力」が育ちやすいというメリットもあります。
◆ 私たちからのご提案
どちらの支援にも良さがあり、一概に「こっちが正しい」と言えるものではありません。大切なのは、ご家庭のスタイルや価値観に合った支援を選ぶことです。
そのうえで、私たちとしては——最初からアウトリーチ型支援に頼るのではなく、まずはオンライン支援を通じて家庭内の関係性や対応力を育むことをおすすめしています。
そして、もし「オンラインでは難しい」「効果が出るまでに時間がかかりすぎる」と感じたときに、アウトリーチ型支援を選択肢として検討されるのが望ましいのではないかと考えています。
復学支援機関を選ぶときに抑えておきたい3つのポイント
ここからは、支援者としての立場から、復学支援機関を選ぶ際に特に気をつけてほしいポイントを3つご紹介します。
① 成果報酬の請求基準が明確かどうか
まず確認していただきたいのが、「どの時点で成果とみなすのか」という基準が、支援機関側から明確に説明されているかどうかです。
たとえば、「2日間登校できたら成果とみなし報酬を請求します」というような、非常に短期的な成果を根拠に高額な請求をするケースもあります。
また、「登校」と一口に言っても、その定義は機関によって異なります。
一般的には「朝から教室に入り、放課後まで過ごすこと」を登校と考える方が多いかと思いますが、中には「放課後に保護者と一緒に10分間別室にいる」ことや、「校門にタッチするだけ」でも登校とみなす機関もあります。
それ自体が悪いというわけではありませんが、保護者の方が思い描く登校の形と支援機関側の基準が一致しているかどうかは非常に大切なポイントです。
私の考える“通常登校”とは「朝から放課後まで、教室で過ごす登校が少なくとも1か月継続している状態」を指します。
復学の初期段階では、登校初日に行けても翌日再び休むことは珍しくありません。
そういった段階で「成果が出た」とするのは、保護者の不安に寄り添う姿勢とは言えないと私は感じます。
成果報酬の詳細はホームページだけではわからないことも多いので、気になる機関の資料は複数取り寄せて比較してみることをおすすめします。
② ケースごとに適切なアセスメントやアドバイスを行っているか
実際に支援が始まってみないとわからない部分もありますが、初回のアセスメントや方針説明を無料で提供している機関もあります。
可能であれば、そういった機会を利用し、支援者がどのように状況を捉えているかを確かめてみましょう。
通り一辺倒なテンプレートのような説明ではなく、「そのご家庭に合わせた支援」をしてくれるかどうかが大切です。
たとえば、カウンセリングのあとに「うちの場合は、どんな特徴が見られますか?」と質問してみてください。その答えが納得できる内容かどうかで見極めやすくなります。
特に注意したいのは、どんな家庭にも同じマニュアルを当てはめようとする支援機関です。「この通りやってください」とアセスメントもなしに一方的な方法論を押しつけられるようであれば慎重に判断したほうがよいでしょう。
③ 支援者としてではなく、“人として”信頼できるかどうか
最後に、とても大切なことですが支援機関としての実績があるかどうかだけでなく支援者個人が人として信頼できるかどうかもぜひ見極めてください。
これまで保護者の方からご相談を受ける中で驚くようなお話を何度も聞いてきました。
たとえば、初回の電話相談で「3日以内に契約しないと今後支援は受けられません」と急かされたり支援開始直後に「学校に行かせたい“強欲な親”はせいぜい頑張ってください」といった高圧的なメッセージを受け取ったという方もいました。
お子さんの不登校は保護者にとっても非常にショックの大きい出来事です。
その気持ちにつけ込んで焦らせたり、傷つけたりするようなやり方は決して許されるものではありません。
支援者とご家庭は上下関係ではなく“チーム”として並ぶ存在です。
冷静にこの記事を読んでくださっている今だからこそそうした視点を大切に納得できる支援者と出会っていただけたらと思います。
◆ おわりに
どの支援機関が正解かというのはご家庭によって異なります。ですが、この記事でご紹介したポイントを一つの物差しにしていただくことでご自身の価値観やお子さんの状態に合った、納得のいく選択につながることと思います。
「どこに相談したらいいのか、どう選べばいいのか」と悩んだときには、ぜひ思い出していただければ幸いです。
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