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「待ちましょう」では解決しない不登校

本記事を書いているのは『こまち先生』こと不登校解決支援センターRAY代表理事の辻です。


・(一社)家庭教育支援センターペアレンツキャンプにて、東京支部室長を歴任。

・家庭教育アドバイザー、復学支援カウンセラーとして親子関係の改善や復学支援に従事。

・SNSでは『こまち先生』として活動し、総view数は60万を突破!


令和の時代、全国で不登校の総数は30万人を超えるようになったと言われています。


一昔前は不登校に対して登校を促すことは厳禁だとされてきましたが、理解が進むに連れそういった画一的な対応では救われない家庭が多いことがわかってきました。

今回は令和の時代における不登校への対応について、復学支援という視点から記事を書かせていただきます!





▼この記事を読んでわかること




なぜ「登校を促してはいけない」と言われてきたのか


不登校がまだ「登校拒否」と言われていた時代、学校をお休みする理由と言えば『いじめ』『愛情不足』、あるいは非行といった理由がほとんどでした。

特に『いじめ』や『愛情不足』を原因とした不登校については無理やり登校を促すことにより、身体的、精神的に追い詰められたお子さんが命の危険に晒されるというショッキングな出来事が起こっていました。


その結果、当時の不登校の大半を占めていたいじめや愛情不足型の不登校に対しては「登校を促してはいけない」という不文律が生まれたのです。


この対応は一定の成果を上げ、不登校初期に登校を促さないことによって精神的に安定したお子さんがいじめについて両親に吐露できるケースが増えたり家族との会話が増えることによって愛情不足が補われたケースがみられるようになりました。


こういった成果は知見となって各所に共有され、いつのまにか「どんな理由の不登校であっても登校を促すのは厳禁である」という極端な対応が定着していったのです。


その流れを汲んでいるため、今現在も日本中で「お子さんの心のエネルギーが溜まるのを待ちましょう」という画一的なアドバイスがされるようになっています。



「待ちましょう」で解決しないケース


令和の現代になっても、日本全国において最初に学校や病院、行政機関で受けるアドバイスは「待ちましょう」であることがほとんどです。

実際、お休みが始まった当初は原因が不明であるケースが多いため、精神的な安定を得るためにも3週間から1ヵ月程度学校をお休みするのは私も必要だと考えています。


しかし、「待ちましょう」はすべての不登校を解決する万能の魔法ではありません。

むしろ現代においては不登校の長期化や問題行動を助長する可能性を含んだ難しい対応であると言えます。


令和4年に行われた文科省による不登校の理由調査において、上記のような『いじめ』を理由とした不登校は全体の0.3%しかありませんでした。

そのかわりにほとんど過半数を占めている理由が「無気力・不安」です。


無気力・不安とは学校に対して「面倒くさい」、「行きたくない」、「行く意味がわからない」といった漠然とした思いや「学校が怖い」、「友達との関係が不安」、「宿題ができない」といった学校環境に対する何らかの不安を抱えている状態です。


なぜそういった思いを抱えるようになったのかはケースによって様々ですが、大きな要因として家庭環境があげられるようになってきています。


お子さんに対する深い愛情がゆえに、いわゆる過保護、過干渉でお子さんに接してしまう親御さんが増えており、結果としてお子さんの忍耐力自立心自己解決能力といった力が年齢相応に育っていないケースが散見されます。


「宿題やったの?」

「明日の準備まだじゃない?」

「どうせ起きられないんだから早く寝なさい」

「ハンカチや水筒はもった?」


こういった具合にお子さんへの干渉を四六時中行ってしまい、お子さんが転ばないよう道に落ちている石を一つ残らず拾い集めている親御さんがたくさんいらっしゃいます。


その対応のすべてが悪いわけではありません。

しかし、こういった対応の結果としてお子さんの自立心が育まれず、学校環境に対して不適応を起しているケースは「待ちましょう」の対応では解決しない場合がほとんどなのです。


家では巻き起こる問題のほとんどを親御さんが解決してくれるのにも関わらず、学校では自分ですべきことは自分でしなければいけませんからね。

それを「めんどくさい」と表現するお子さんもいれば「(助けてくれるお母さんのいない)学校が怖い」と表現する子もいるわけです。


こういったケースの不登校が「待ちましょう」というアドバイスの元お休みを長引かせてしまうと、家庭内での問題行動が加速するケースが目立ちます。


ゲームやYouTubeの時間を守れなくなってしまう、親御さんに対しての暴言や暴力、「新しいゲーム買ってきて!」といった要求の加速、昼夜の逆転やお風呂などの基本的生活習慣の欠如など、あげればキリがありません。


もちろん子ども達だって好きでそんな行動をとっているわけではありません。

学校に行きたくても行けないストレスや、行かなきゃいけないとわかっているけれど動けない自分に対するいら立ち、将来への不安や家族との不仲など、精神的に追い詰められていることに対する現実逃避防衛機制と呼ばれる心の防御反応です。


「待ちましょう」の対応は不登校初期、あるいは明確にいじめがあったケースなどにおいては効果的な側面がありますが、ケースによっては不登校の長期化や問題行動の加速を招く恐れのある難しい対応であるという理解が必要でしょう。



専門家の直接介入が必要なケースと不要なケース


私は普段、SNSの発信で「不登校の解決に専門家の直接介入は必須ではない」と発信しています。

実際、RAYの行っている支援において6~7割の家庭は専門家による直接介入をせずに復学、そして継続登校を果たしています。


復学までの平均期間は1ヵ月~2ヵ月となっており、不登校期間の長さや理由によって若干の差異があります。


今回はRAYの過去の支援において、専門家の介入が必要になった状況をいくつか箇条書きでピックアップしご紹介しておきます。

もちろん完全に一致するケースというものはないため、あくまで参考程度にご覧ください。


・不登校期間が1年を超えているケース

・親子関係が著しく悪いケース

・友達とのトラブルが根深いケース


・不登校期間が1年を超えているケース

同じく完全不登校の状況だったとしても、お休みが3か月の子と1年の子では問題の根深さが全くことなります。

友達と長い間あっていない、勉強の遅れが著しい、基本的生活習慣が乱れているといった問題が併発しているケースが多いため、それらを解決するためには専門家による生活指導や家庭教師的対応が必須となるケースが多いです。


・親子関係が著しく悪いケース

RAYの支援では親子関係の在り方を見直すことによってお子さんに良い影響を与えていき、自立心や自己解決能力、忍耐力を育むことで学校環境への適応力を家庭で身に着けていただきます。

そのため、家族間での会話が最低限の範疇で行えていないとそもそも影響を与えることが難しく、専門家がジョイニングによって仲介役を担う必要がでてくるケースがほとんどです。


・友達とのトラブルが根深いケース

明確に「いじめ」とまではいえないまでも、身体的特徴をからかわれたり、悪気ない言葉に傷ついてしまったり、誰も悪いとは言えないトラブルに巻き込まれることによって友達との間に軋轢が生まれてしまったケースです。

子ども達にとって、学校に通うモチベーションのほとんどは友達です。

その友達との間に根深い問題が生じてしまった際、自分一人の力ではなかなか解決することができないため、専門家による本人のケアと同時に学校との連携を行って問題の解決を行う必要があります。

また、トラブルではないものの転校や進学などの影響によって友達が少ない、あるいは全くいない状況になってしまったケースにおいても専門家の介入が必要になるケースが多いと言えます。


これらは直接介入が必要になったケースにおいて共通することの多い要因です。

これ以外でも家族での対応に限界を感じており、早急に専門家の介入を求めているご家庭においてはご要望に応じて介入するケースもあります。


しかし、専門家の介入にはリスクが伴うケースも存在するため、どの手段が最も子どものためになるのかを常に念頭に置いて支援を行うことが大切だと考えています。



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